一般財団法人 知と文明のフォーラム

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書いた記事数:57 最後に更新した日:2017/09/22

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フォーラムをめぐる人々ーむさしまるのこぼれ話 その一

先月観た中国映画は不思議な作品だったな。意味があるんだかないんだか、何が言いたいんだかさっぱり分からんのよ。そのくせ、あと後まで、映像ばかりがちらつく。例えば、中国の文革時代の下放されたいわゆるインテリの青年が、山のなかの小高い丘にある小学校の校庭で、荷車らしきものの上にちょこんと飛び乗る。背景は夕焼け風で青年の体のシルエットが人形のように浮かぶ。何だろ、これ? 意味を追い求めるわたしらは堕落した人間なのかもな、と思ったりする。

 

不思議はいっぱいある。もう一つ、どうもよく分からない音がある(実はいくつもあるんだけど)。あるシーンで、カポンカポンと音がする、池のなかに乾いた太い竹を何本か浮かべて、そいつらをぶつけているのかもなあ、と思わせる音響で、これも忘れられないなあ。

 

忘れてたけど、冒頭のシーンも忘れがたい(変だね、この書き方)。いい年のオッサンが結構な太さの竹の筒で煙草を、無言で、吸っている。そこに主人公らしき青年が登場し煙草をめぐんでもらう。言葉は一切なし。言語なんかで大切なことは伝わらないよ、といわんばかりなのだな、これが。

 

さて、何の映画でしょうか? ジャーン! 答えはチェン・カイコーの『子供たちの王様』でした。


フォーラムをめぐる人々ーぶらりと映画館

ぶらりと映画館

 

 

街のまんなかで、ふと真空の時間を持つことがあります。なんの予定もなく、時間がたっぷりあるという幸福な状態です。そんなときは、近くの映画館か美術館をぶらりと訪れるのが一番。ときに至福の時間を得ることができます。まったく予定していなかっただけに、その喜びにはまた格別の味があります。

 

今日、お茶の水での歯科の治療が終わったのが11時。雨が降っていて、予定していた自転車散歩もできません。このまま帰宅するのもなぁ、という気分になりました。そこで、飯田橋のギンレイホールを覗いてみることに。ここはいまでは珍しくなった2本立て上映の映画館です。たっぷり時間がある身には2本立てはたいへん有難い。しかも、映画館主催の方の眼は確かで、時間を無駄にしたという記憶はまずありません。

 

『タレンタイム』と『台北ストーリー』。後者はなんとなく中身が想像されますが、タレンタイム? いったい何語? どこの国の映画? このようにまったく予備知識ゼロ。窓口で配布された「ギンレイ通信」というミニ案内を読んで、これがマレーシアの映画だということをはじめて知りました。監督はヤスミン・アフマドという女性で、8年前、51歳という若さで亡くなっている。

 

タレンタイムとは、Tale in timeで、高校生の音楽コンクールのことでした。このコンクールを、マレー系、インド系、中国系……、様々な高校生が目指すという、いわば青春物語です。それぞれの学生にはそれぞれの家族があり、宗教もそれぞれ。それゆえに生じる矛盾やら悲劇やらを、ユーモアたっぷりに描きます。クスリと笑いながら観ていくうちに、マレーシアの複雑な社会のありようが、肌身に沁みて理解されます。

 

人種・文化・宗教の差、親子の葛藤、聾唖という障がいまでも、若者たちは乗り超えます。困難をともないますが、清々しいその生命力に、心からなる拍手をおくりました。こんな気持ちになる映画などそうあるものではありません。それに、全編に流れる多彩な音楽も聴きもの。インド系、中国系、フォーク調、ドビュッシーやバッハまでも!

 

ぶらりと映画館に入って、思わぬ拾いものをした。そんな幸せな一日でした。

 

2017年9月4日 森淳


フォーラムをめぐる人々―何のための共謀罪法案?

何のための共謀罪法案?

 

 

13日の日比谷野外音楽堂は、共謀罪法案に反対する人々でいっぱいでした。会場に入れない人たちも大勢いて、小雨にもかかわらず5200人が集まったようです。15日未明、共謀罪法案は強行採決され、残念ながら成立してしまいました。それにしても、いったい何のための法案なのか。それは13日の集会に参加してよく分かったような気がします。

 

政府は「テロ等準備罪処罰法案」と呼んでいるのですが、テロ対策の内容は一か条も入っていないそうです。またこの法案が、「国連国際組織犯罪防止条約」の批准に必要だといっているものの、現行法のままで十分批准できるとのこと。それではいったいなぜ、こんなにも反対が多い法案を強引に成立させたのか。

 

ひとことでいうならば、秩序を守る名目で、監視の網の目を隅々にまで張り巡らせるため、ということでしょうか。悪名高いあの「治安維持法」よりも適用範囲が広いそうです。団地の自治会、趣味の同好会、私たちのような法人まで、容易に監視の対象になってしまう。国連の特別報告者、ジョゼフ・カナタチ氏が、プライバシー侵害や恣意的な適用の恐れがある、と警告するはずです。

 

特定秘密保護法(2013年)、安全保障法制(2015年)、そしてこの共謀罪法案。安倍首相の強権は、憲法改悪まで行きつくのでしょうか。これ以上暴挙を赦してはなりません。

 

2017年6月15日 森淳


フォーラムをめぐる人々―水元公園の政治談議

水元公園の政治談議

 

 

「文科省の前の事務次官、前川っての、結構骨のある奴らしいね。天下り問題で辞めさせられたけど、あれは人身御供だよ」
「そうさ、文科省の天下りなんか、経産省に比べれば可愛いもんだよ。前川にすれば、何で俺が、ってことだったんだろうな」
「今回の加計問題は、その敵討ちか。それにしても、安倍はひどいね。平気で嘘をつくからなぁ」
「政治への信頼が薄らぐよね。でも、支持率は高いままだよ。女房なんか、前川はいかがわしい所に出入りして、信用できないとさ。うちは読売だからなぁ」
「うちは毎日だよ。どうして読売なの?」
「昔からで、女房のお気に入り。うちのは読売しか読まない。俺はインターネットやるから、色々意見を言うんだけどね。読売が正しいと思ってんだね」

 

これは今日、水元公園の「書斎」で聞いた、年配の男性同士の会話です。隣のベンチから聞こえてくる会話も、時の政治状況を反映していて興味深い。読売新聞は5月22日、前川喜平前事務次官が出会い系バーに出入りしていたことを報じましたが、これはなりふり構わぬ官邸からのリークのよう。

 

新聞が政権の広報紙になったら終わりです。何百万部の読者を持つ新聞の責任はとりわけ大きい。今日の首相答弁も不誠実そのものでしたが、今朝の朝日新聞のコラムからゲーリングの言葉を引用することで、権力者の本音を忖度いたしましょう。ゲーリングはいうまでもまく、ナチスの国家元帥です。

 

「人々は指導者の意のままになる。『我々は攻撃されかけている』といい、平和主義者を『愛国心に欠け、国を危険にさらしている』と非難する。それだけで良い」

 

水元公園には花菖蒲が咲き出しました。自然はいいですね。心が安らぎます

 

2017年6月5日 森淳


フォーラムをめぐる人々ー水元公園の「書斎」

水元公園の「書斎」

 

 

今日は水元公園の「書斎」を約半年ぶりに木陰へ移動した記念すべき日でした。陽だまり、木陰、どちらで本を読もうかなぁ、と迷う頃が、一年でも一番快適な気候なのかも知れません。

 

葛飾区の水元公園は、市川市の我が家から江戸川を経て自転車で約30分。93haの広大な公園で、池あり、自然林あり、芝生の広場あり、キャンプ場あり、野鳥観察舎ありと、変化にも富んでいます。

 

カモ類は北に帰り(怠惰な?残留組のヒドリガモがあちこちに泳いではいますが)、今日はコアジサシの姿を見かけました。南の国からやって来たのでしょう。風に乗ってわた毛が一面に舞っています。

 

自然のなかで読書をする。これは何ものにも代えがたい、大いなる楽しみ。お金は要らないし、自転車での往復で150kcalのエネルギーを消費し、健康にもよろしいのです。

 

2017年5月12日 森淳
 


フォーラムをめぐる人々ー片岡みい子さんご逝去

片岡みい子さんご逝去

 

2017年2月7日、当フォーラムの運営委員、片岡(正垣)みい子さんが逝去されました。67歳。謹んでお悔み申し上げます。片岡さんは当フォーラム発足時からのメンバーで、ブログの立ち上げから数年にわたる管理など、スタッフとして大いに力を尽くしてくださいました。3月18日には、友人・知人167名が集いお別れの会が行われましたが、翻訳やライターなどの仕事関係の方はもちろん、田畑のぬか風呂経営者や下北沢の小劇場の女優さんなど、片岡さんの多彩な活動が偲ばれるスピーチを聴くことができました。なかでも彼女の絵画仲間は、彼女の絵について、草間彌生を超える想像力に満ちていると評しました。会場に飾られた彼女の作品をつくづく眺めて、その評価の正当性を実感したものでした。

2017年3月30日 森


フォーラムをめぐる人々ー篠原一先生ご逝去

篠原一先生ご逝去

 

2015年10月31日、政治学者の篠原一(しのはらはじめ)先生が逝去されました。90歳。謹んでお悔み申し上げます。先生は西欧政治史研究のかたわら、多くの市民運動に携わられ、「丸山ワクチン患者・家族の会」代表も務められました。当フォーラムでは、2008年11月1・2日、「21世紀の市民と市民的公共性――小さなユートピアをめざして」のテーマでセミナーを行い、先生のお話をお聴きました。
http://chitobunmei.com/seminar/index_s10.html
2015年11月4日 森


フォーラムをめぐる人々ー坂本義和先生ご逝去

坂本義和先生ご逝去

 

2014年10月2日、政治学者の坂本義和(さかもとよしかず)先生が逝去されました。87歳。謹んでお悔み申し上げます。日本における国際政治学の開拓者であった先生の平和主義は、現実を冷徹に見据えた、まことに説得力のある思想であったと思います。当フォーラムでは、2010年9月11・12日、「日本の安全保障と今後の世界」のテーマでセミナーを行い、先生のお話をお聴きしました。
http://chitobunmei.com/seminar/index_s16.html
2014年10月6日 森


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